チーム『KTSM』へ ようこそっ!!
……口で言うほど、事態は簡単ではないんだろうけど……でも、ケイくんは世界の舞台で活躍する選手だと思うから、だからこのまま何も言わずに終わるのはイヤだった。
「……ケイくんの人生は、ストバスで終わらないよね……?」
ストバスで、終わって欲しくない。
それを伝えた時……――ケイくんは、ふっと笑ってから私の髪を撫でた。
「……やっぱりお前は、面白い奴だな」
「え……?」
面白い、って……私、全然面白いことなんか言ってない。
て言うか、真面目に話してたんだけど……。
「実はさ、『ストバスで終わんないよな?』って、前に悠くんにも言われたんだ」
「あ……そう、なの……?」
「うん」
昨日空き地で、ボールを指の先で器用に回していた、悠一さん。
私を見ていた悠一さんは、凄く不機嫌そうだったけど……その彼が、私と同じことをケイくんに言ったんだ……。
「…その時は、なんて答えたの?」
ドキドキしながら、聞いてみる。
「あの時は『わからない』って言ったよ。
ストバスをずっと続けていくかもしれないし、ふっと公式に戻るかもしれない。 どうなっていくのか、あの時は全然見当もつかなかった」
「……そうなんだ」
「でも、今は違う」
「え……?」
違う? それって、どういうこと……?
「お前に言われて決心がついた。 俺、アメリカに行くよ」