チーム『KTSM』へ ようこそっ!!
「俺たち4人はねー、ストバスのチームを組んでるんだ」
「そ、そうなんだ……」
私と太一くんを、3人の男の人が見つめる。
太一くんにケイと呼ばれた人は、きっと私たちと同い年。
でも他の二人は、どう見ても年上だ。
右の人は、爽やかな笑顔を見せる優しそうな人。
真ん中の人は、人差し指の先でボールをクルクルと回しながら、無表情に私を見ている。
そして左側の人……ケイは、真ん中の人と同じように、無表情……。
ニコニコ笑顔の人はともかく……他の二人は、なんか、ちょっと怒っているような……?
だけど太一くんはそんな二人を気にもせず、すらすらと言葉を繋げていく。
「同じクラスの七瀬 歩美ちゃん。
で、この人たちは俺の幼なじみのKとTとM」
「初めまして……って、KとTとM……?」
「うん。ちなみに俺はS」
「な、何ですかそれ……」
「あぁごめん、俺たちの苗字の頭文字がKとTとSとMなんだ。
チーム名は、ズバリ『KTSM』!!」
「あー……なるほど」
太一くんは『桜庭』だから、イニシャルのS。
ケイって呼ばれた人は、やっぱりKかな?
うー……なんか、頭の中がこんがらがる……。
「この人は武蔵野 祥介(ムサシノ ショウスケ)くん。通称M。俺らの3つ上の20歳」
「よろしくー」
爽やか笑顔の人が、M……祥介さん。
「で、こっちが十朱 悠一(トアカ ユウイチ)くん。通称T。2つ上の19歳」
「……どうも」
ボールを持っているのが、T……悠一さん。
「そして最後は、さっき会った……――」
と、太一くんが言いかけた時。
ケイと呼ばれたその人は、太一くんの口を塞いでにっこりと微笑んだ。
「俺は、Kだよ」