チーム『KTSM』へ ようこそっ!!


「俺たち4人はねー、ストバスのチームを組んでるんだ」

「そ、そうなんだ……」



私と太一くんを、3人の男の人が見つめる。

太一くんにケイと呼ばれた人は、きっと私たちと同い年。

でも他の二人は、どう見ても年上だ。


右の人は、爽やかな笑顔を見せる優しそうな人。

真ん中の人は、人差し指の先でボールをクルクルと回しながら、無表情に私を見ている。

そして左側の人……ケイは、真ん中の人と同じように、無表情……。


ニコニコ笑顔の人はともかく……他の二人は、なんか、ちょっと怒っているような……?

だけど太一くんはそんな二人を気にもせず、すらすらと言葉を繋げていく。



「同じクラスの七瀬 歩美ちゃん。
で、この人たちは俺の幼なじみのKとTとM」

「初めまして……って、KとTとM……?」

「うん。ちなみに俺はS」


「な、何ですかそれ……」

「あぁごめん、俺たちの苗字の頭文字がKとTとSとMなんだ。
チーム名は、ズバリ『KTSM』!!」


「あー……なるほど」


太一くんは『桜庭』だから、イニシャルのS。

ケイって呼ばれた人は、やっぱりKかな?

うー……なんか、頭の中がこんがらがる……。



「この人は武蔵野 祥介(ムサシノ ショウスケ)くん。通称M。俺らの3つ上の20歳」

「よろしくー」



爽やか笑顔の人が、M……祥介さん。



「で、こっちが十朱 悠一(トアカ ユウイチ)くん。通称T。2つ上の19歳」

「……どうも」



ボールを持っているのが、T……悠一さん。



「そして最後は、さっき会った……――」



と、太一くんが言いかけた時。

ケイと呼ばれたその人は、太一くんの口を塞いでにっこりと微笑んだ。



「俺は、Kだよ」


< 4 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop