チーム『KTSM』へ ようこそっ!!
「最初の試合で、ちょっと背中を痛めたんだ。 だから上手くパスが出来なくて、シュートも打ちにくい」
「だ、大丈夫……?」
「まぁ、なんとか頑張るよ」
「……無理しないでくださいね」
「ん」
私の言葉に笑顔を見せる悠一さん。
その時点で、かなり無理してる感じがする……。
……祥介さんも悠一さんも怪我してる中で、次の試合は去年の優勝チーム……。
まさに『絶体絶命』だ。
だけどそれでも、ケイくんは笑う。
「俺たちは勝つよ」
ドキッ....
今までにないくらい、爽やかな笑顔……。
ケイくんの瞳が、私だけを捉える。
「勝つためにここに来た。 お前の前で、勝つために」
「私の、前……?」
「お前が居たから、今の俺が居る。 上を目指してんだから、ここで勝たなきゃ意味がないだろ?」
ニッと笑ったケイくんは、メガネを外して私へと持たせる。
「あとで回収するから、お前がかけとけ」
「あ……」
最初の時と、同じ言葉……。
それを聞いた時、何故だか胸がジーンと熱くなり、涙が込み上げてきた。
「ぜったい、絶対勝ってね……!!」
目に溜まった涙を拭いながら笑う私に、ケイくんは手をひらひらとさせながら微笑んだ。