チーム『KTSM』へ ようこそっ!!
ケイ。
彼はそう言って、太一くんから離れた。
「めんどくさいから本名は言わなくていいよ。
つーか、どうせ今日以外は会わないだろ? 名前を教えるだけ無駄」
「……」
「で、まだ帰らないの? もう用は済んだんだろ?」
「か、帰りますよっ……!!」
数秒前の微笑みが嘘のような、悪魔のような冷たい視線。
かと思えば、人を馬鹿にしたようにフッと鼻で笑い、ボールを持っていた悠一さんと一緒にゴールのところへと行ってしまった。
な、なんなのアイツ……!!
て言うか、私をここに連れてきたのはアイツじゃん!!
なのに、なんで澄ました顔で「まだ帰らないの?」とか言うわけ!?
イケメンのくせに、性格悪すぎ!!
「歩美ちゃん、ごめんね。
アイツ、普段からあんな感じだから あんまり気にしないで?」
「あ、はい……」
苦笑気味に笑った祥介さんが、髪の毛をかき上げながら言葉を続けていく。
「それから悠一は、女の子と話すのが苦手なんだ。
だからつい、あんな無愛想な感じになっちゃったけど、慣れてくれば、きっと色々話せるようになるから」
「……はい。 でも私、多分もう来ませんから」
あのケイって人……アイツとはもう二度と会いたくない。
祥介さんは優しいし、悠一さんとだって、仲良くなればきっと色々な話が出来ると思う。
でもあの男……アイツだけは絶対に絶対に、絶っ対に無理!!