略奪連鎖
部屋に戻り、購入した料理を皿に盛りつける。不意に鼻の奥がじんと痛くなった。
興信所を利用しなければ今頃私と孝之は夫婦でいたのだろうか。
孝之はあのまま私に離婚を切り出せずにいたのだろうか。
取り留めのない思いはどこか後悔にも似ていて胸が詰まる。
すると部屋にチャイムの音色が響いた。
はたはたとスリッパの音を鳴らし、玄関先に向かう。
ドアを開けると鼻先に差し出されたケーキの箱、そして豪華なバラの花束。
私は満面の笑みを浮かべてそれらを受け取った。
「誕生日おめでとう」
「嬉しい、孝之」
FIN
興信所を利用しなければ今頃私と孝之は夫婦でいたのだろうか。
孝之はあのまま私に離婚を切り出せずにいたのだろうか。
取り留めのない思いはどこか後悔にも似ていて胸が詰まる。
すると部屋にチャイムの音色が響いた。
はたはたとスリッパの音を鳴らし、玄関先に向かう。
ドアを開けると鼻先に差し出されたケーキの箱、そして豪華なバラの花束。
私は満面の笑みを浮かべてそれらを受け取った。
「誕生日おめでとう」
「嬉しい、孝之」
FIN