「もも」と「モモ」
目つきの悪い先輩や、メイク美人の同級生に奪われる前に、私が雅紀の左隣に並んでやろうと毎日が必死だった。


視線が合う回数が昨日より多かったとか、くだらないことに一喜一憂していて、必死になればなるほど気持ちばかりが焦っていた。


そのぐらい『恋』しか見えていなかったのだと思う。


そこで伝わっているか不確かなアピールで終わらせたくないと、妙に燃えてしまった。


悩んだ末ーー。


私は声に出して『好き』と言うことを選んだのだった。


そして、人生初の告白を決行!


学校からの帰り道を、いつものように歩いているタイミングで、とにかく恥ずかしかった。


「あのね。私ね、好きになっちゃったみたいで……。雅紀のこと」


普段と変わらずラフな感じを心がけたけれど、私はカチコチになっていた。


「ホント? 嬉しい。ボクも好きだよ」


あんなに悩んだというのに、あっさりと終了してしまった。
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