今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
◆◇◆拓海side◇◆◇
「なに…?たっくんどうしたの?」
こっちが聞きたい。
朱里どうしたの?俺に警戒してたから帰り逃げたんじゃないの?
俺から逃げたのに……
何で俺のものばっかり買ってるの?
漫画にパンに消しゴム、他にはコンビニで買った俺が好きなお菓子とジュース。
これは…………どういうこと?
「帰り逃げちゃってごめんね。悪かったなって思ってたら気付いたらたっくんのものばかり買ってた。だからこれは逃げちゃったお詫び」
「そんなの気にしなくていいのに。まぁ逃げられたのはショックだったけどね」
「ごめんね?たっくん最近恥ずかしいこと色々言ってくるから…ドキドキしちゃうんだ」
「ドキドキ、って俺に?」
「うん。幼馴染みなのに変だよね。だから思わず逃げちゃった。たっくんは、その…よ、欲求不満…なだけなのにね」
「違うよ。そうじゃない」
「え?」
「欲求不満じゃなくて…全部朱里にドキドキしてもらいたくてやってることだよ」
幼馴染みって有利なようで実際は不利。
長年一緒にいるとそれが当たり前になってドキドキなんてもちろんしない。
今まで家族みたいに思ってた人をいきなり恋愛対象に見ることなんて絶対できない。
だから俺は、とにかく朱里をドキドキさせたい。
幼馴染みじゃなく、一人の男として意識してほしいから。