今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
諒介さんと話したあの日から確実に俺の中で変化が起きていた。
「拓海くん、今日うち来る約束だよね?」
「あー…ごめんね。今日急用ができちゃって」
女と遊ぶ回数が急激に減り、秋が過ぎ冬になる頃には殆んど女とは関わらなくなっていた。
『朱里、告白断ったって。でも正直朱里狙ってる男なんて他にいくらでもいるから…気になるなら拓海くんが何とかしたら?』
それは朱里が告白された数日後に、ユメちゃんから言われた言葉だった。
俺が何とかする?
彼氏でもない俺が?
ただの幼馴染みがそこまででしゃばっていいの?
今度はこんな葛藤に苦しんでいた、そんな時だった。
「芹沢くん…ずっと好きでした。付き合ってくれませんか?」
この頃は、告白されても全て断るようになっていた。
だからこの日ももちろん断るつもりだったんだ。