今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
「ごめんね。俺、好きな人がいるから」
「うん、知ってるよ。だってずっと芹沢くんを見てたんだから。でも、あの子は芹沢くんのことなんて全然見てないよね?」
「…そんなの分かってる」
「どんなに想ったって無駄だよ。幼馴染みは所詮幼馴染み止まり。それ以上になんてなれっこないんだから」
「…」
その頃の俺にその言葉は深く刺さって…何も言えなかった。
「その子を好きなままでもいいよ」
「え?」
「そのままでいいから…付き合ってよ」
こんなことを言ってきた子は初めてだった。
それまで付き合ってきた子達はみんな嫉妬深くて…幼馴染みとはいえ、朱里と話すのを嫌がる子ばかりだったから。
「私、3年の飯塚 小春。付き合ってくれた暁には永遠の愛を保証します!全力で尽くします!」
「ハハ、そんな熱い告白初めてされた。面白い人だね」
「そうそう。結構面白いからさ、試しに付き合ってみてよ。落ち込む暇もないほど笑わせてあげるから。ね?」
これが、小春ちゃんと付き合い出したキッカケだった。