今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
「卒業まであと一ヶ月かぁ…悲しいなぁ。私が行く高校の近くってね、ラーメン屋さんないんだよ」
「ハハ、どんだけラーメン好きなの」
「そりゃ大好物だから…あ!あのバカちんようやく来たな」
「え?」
久々に学校で諒介さんの姿を見たのは、小春ちゃんとこんな呑気な会話をしているときだった。
諒介さんは、俺と小春ちゃんに気付くなり眉間にシワを寄せて近付いてくる。
「諒介さん、久しぶりだね。卒業近いからってサボりすぎじゃない?」
「あれ?芹沢くんと諒ちゃんって知り合いなの?知らなかったぁ」
「え?小春ちゃんも諒介さんと知り合い?クラスは違うよね?」
「うん。諒ちゃんはね、隣の家に住んでる幼馴染みなんだよ」
「え?」
このとき、俺は初めて知ったんだ。
諒介さんがずっと片想いしている幼馴染みが小春ちゃんだったってことを。
「久々に学校来たらおまえと小春が付き合ってるって噂聞いて…マジふざけんなよ」
「ごめん。俺、知らなくて…」
「知らない?そんなんで済まされるかよ。小春と遊びで付き合うとか…俺は絶対許さない。今すぐ別れろ」
諒介さんに言われたことは最もだと思った。
俺だってもし朱里が他の男に遊びで付き合われたら…絶対許せないから。