今日もたっくんに溺愛されちゃっています。





それからすぐに小春ちゃんとは別れた。

諒介さんに言われたことなら気にしなくていいと何度も言われたけど…そんなこと俺には無理だった。

これを機に好きでもない女と付き合うのはもう絶対やめようとも心に決めた。


俺は諒介さんを本気ですごいと思った。

何度もフラれてるのに、嫌いとまで言われてるのに。

それでも想いを貫き続ける諒介さんに心動かされていたんだ。




“俺は小春の全てを知りたいんだよ。しつこく構うのも…振り向いてほしいからじゃん”




諒介さんのこの言葉に、かなり痺れてしまった自分がいた。


俺も朱里の全てを知りたい。

どこで誰と何をしてるのか。

本当はいつだって知りたいと思ってた。

でも…幼馴染みってどこまで踏み込んでいいのか分からなくて、嫌われるのが怖くて行動にうつせなかったんだ。



俺も朱里の全てを知りたがってもいいのかな。

俺も朱里にしつこく構っていいのかな。

それくらいできれば、やりきったって思えるのかな。

もしも行動にうつすことができれば…何か変わるかもしれないのかな。

自分が納得できるくらいやりきることができれば…フラれても嫌われても、よくやったって自分を褒めてやれるのかな。


朱里への想いを断ち切ろうと決めて二年。

こんなに前向きな気持ちになれたのは、このときが初めてだった。



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