今日もたっくんに溺愛されちゃっています。
卒業式の日、俺はあの河原で諒介さんと一緒にいた。
あの日から何度電話しても出てくれなかったから、卒業式が終わったタイミングで無理やり連れ出したんだ。
「卒業おめでと。高校はサボらずちゃんと行くんだよ?じゃなきゃ留年して俺と同級生になっちゃうかも」
「…そんなこと言いたい訳じゃないだろ」
「そうだね。小春ちゃんのこと…ごめんね」
「絶対許さない。いつかおまえの大事な女を俺のセフレにしてやるから覚えとけよ」
「それだけは本当にやめて。考えただけでダメージ半端ないから」
想像してしまって、キリキリ痛む胃を押さえる俺に諒介さんは笑う。
「アッハハハ…ザマーミロ。俺の大事なもの持ってった罪はでかいんだよ。だから俺はおまえを許さない」
「そうだね。俺も自分の好きな子が同じことされたらその男を許せないから」
「だろ?おまえなら俺の気持ち分かるはずだからな」
「分かるよ。そう考えたらさ、俺が無傷なの奇跡だよね?本当はボコボコにしたいでしょ?」
「まぁな。ま、同志ってことで。つーか喧嘩したら小春にキレられんだよ。それが一番の理由だけど」
小春ちゃんの話をする諒介さんは、すごく優しい顔をすると思った。
本当に心の底から小春ちゃんが好きなんだと俺にも伝わってくるくらい、穏やかな顔だった。