navy blue〜お受験の恋〜
ひばり
時計の針がちょうど6時45分を指しているのを確認してから、みちかはドアを3回ノックした。
コンコンコン…
指の骨に小さく響く振動の余韻が去るのを待って、なるべく音を立てないようそっと部屋のドアを開ける。
ベッドに一人眠る悟は、小さな寝息をまだ立てていた。
シーツと枕カバーの白と、そして悟の長めの髪と閉じた目元の睫毛の黒のコントラストに少しだけ目を奪われる。
「悟さん。」
自分の中の中くらいの音量を心がけそっとみちかは声をかけた。
「おはよう。」
数秒後、悟は目を開けてみちかの顔を軽く見ると小さな声で「おはよう」と言った。
すぐに視線は時計へと流れゆく。
「今日はオムレツなの。食べる?」
みちかの問いに悟は小さく「うーん。」と唸りそして「少しだけ食べる。」と言った。
小さく微笑みみちかは部屋を出た。
リビングのテーブルにはもうすでに朝食が並んでいる。
悟はあまり朝ごはんを食べない。
昨夜の夕食も、手をつけた気配は無かった。
勤務地がやや遠く、仕事がハードな事もあり、悟が家で夕食を取ることは少なかった。
それでもみちかは欠かさず作る。
外食に慣れてしまった悟に、時々家で食べる食事が一番だと感じてもらえるように、いつも心を込めて作る。
それが仕事だとみちかは思っていた。
コンコンコン…
指の骨に小さく響く振動の余韻が去るのを待って、なるべく音を立てないようそっと部屋のドアを開ける。
ベッドに一人眠る悟は、小さな寝息をまだ立てていた。
シーツと枕カバーの白と、そして悟の長めの髪と閉じた目元の睫毛の黒のコントラストに少しだけ目を奪われる。
「悟さん。」
自分の中の中くらいの音量を心がけそっとみちかは声をかけた。
「おはよう。」
数秒後、悟は目を開けてみちかの顔を軽く見ると小さな声で「おはよう」と言った。
すぐに視線は時計へと流れゆく。
「今日はオムレツなの。食べる?」
みちかの問いに悟は小さく「うーん。」と唸りそして「少しだけ食べる。」と言った。
小さく微笑みみちかは部屋を出た。
リビングのテーブルにはもうすでに朝食が並んでいる。
悟はあまり朝ごはんを食べない。
昨夜の夕食も、手をつけた気配は無かった。
勤務地がやや遠く、仕事がハードな事もあり、悟が家で夕食を取ることは少なかった。
それでもみちかは欠かさず作る。
外食に慣れてしまった悟に、時々家で食べる食事が一番だと感じてもらえるように、いつも心を込めて作る。
それが仕事だとみちかは思っていた。