navy blue〜お受験の恋〜
「はい。そう考えています。」
「ですと、お試験では比較的、行動観察で手仕事ををさせて見られる事が多いようです。折り紙とか紐通しとか。乃亜ちゃんは、細かい作業は好きですか?」
「はい。娘は細かい事がとっても好きです。自宅でもよく針に糸を通してみたり…。」
「えっ、ほんとですか。器用ですねぇ!」
百瀬が笑うのでみちかも思わず笑顔になる。
「集中力や落ち着きを見るようなんですが出来なくても、質問ができて最後までやり遂げられるかなどの粘り強さも見ますね。なので、体操を通してその辺りも強化していきます。
あと、ルツ女は集団行動も見ますが、女の子同士の楽しいお遊びをさせたりする傾向が強いです。お店やさんごっことか、おままごととか。聞いた話によると試験会場に本格的なコーナーが作ってあったりするみたいです。なので試験直前は、ほかの曜日の女の子の生徒さん同士で集まってもらって対策をしたり、してます。」
「そうですか。娘は人見知りがあるので…、はじめてのお友達と上手に協力できるか心配があります。」
みちかは百瀬の目を見た。
少し考えた後に、百瀬は言った。
「乃亜ちゃんは慎重なんじゃないかな、と僕は思います。幼稚園の体操の時も、お友達の動きを時々じっと見る様子が伺えたんですけど、考えてから動きたいのかもしれないですね。一呼吸置けるのは、素晴らしい事だと思いますよ。」
「そうですか。そう言っていただけると…。」
乃亜のことを理解して前向きに捉えてくれる百瀬に、みちかは思わず目頭が熱くなった。
「はい。乃亜ちゃんならきっと一歩一歩ルツ女のお試験に向かっていけると思います。ただ、あそこが意外と…お子さんの気が強いと言いますか、芯がしっかりした子が揃うんですよ。」
百瀬が大きな目を見開き、はっきりと口にしたその内容に、みちかは驚いた。
「大人しいお子さんが多いと伺った事があったのですが…。」
「はい、そのように言われがちなのですが実際に入ってみると、頑張れた子、粘り強いお子さんが多い分、芯の強い傾向があるようなんです。おっとりしたタイプのお子さんが入られてすぐに辞めてしまったというお話をいくつか伺っています。」
みちかは言葉を失った。
おっとりしたタイプ、まさに、乃亜はそのようなタイプだ。
「とても良い学校なのですが、まだまだ志望校を絞ってしまうのは僕は勿体無い気がするんです。友利さん、併願校はお考えですか?」
みちかは首を横に振った。
一瞬だけ敬栄学園が頭をよぎる、けれど乃亜に向いているとは思えなかった。
「ですと、お試験では比較的、行動観察で手仕事ををさせて見られる事が多いようです。折り紙とか紐通しとか。乃亜ちゃんは、細かい作業は好きですか?」
「はい。娘は細かい事がとっても好きです。自宅でもよく針に糸を通してみたり…。」
「えっ、ほんとですか。器用ですねぇ!」
百瀬が笑うのでみちかも思わず笑顔になる。
「集中力や落ち着きを見るようなんですが出来なくても、質問ができて最後までやり遂げられるかなどの粘り強さも見ますね。なので、体操を通してその辺りも強化していきます。
あと、ルツ女は集団行動も見ますが、女の子同士の楽しいお遊びをさせたりする傾向が強いです。お店やさんごっことか、おままごととか。聞いた話によると試験会場に本格的なコーナーが作ってあったりするみたいです。なので試験直前は、ほかの曜日の女の子の生徒さん同士で集まってもらって対策をしたり、してます。」
「そうですか。娘は人見知りがあるので…、はじめてのお友達と上手に協力できるか心配があります。」
みちかは百瀬の目を見た。
少し考えた後に、百瀬は言った。
「乃亜ちゃんは慎重なんじゃないかな、と僕は思います。幼稚園の体操の時も、お友達の動きを時々じっと見る様子が伺えたんですけど、考えてから動きたいのかもしれないですね。一呼吸置けるのは、素晴らしい事だと思いますよ。」
「そうですか。そう言っていただけると…。」
乃亜のことを理解して前向きに捉えてくれる百瀬に、みちかは思わず目頭が熱くなった。
「はい。乃亜ちゃんならきっと一歩一歩ルツ女のお試験に向かっていけると思います。ただ、あそこが意外と…お子さんの気が強いと言いますか、芯がしっかりした子が揃うんですよ。」
百瀬が大きな目を見開き、はっきりと口にしたその内容に、みちかは驚いた。
「大人しいお子さんが多いと伺った事があったのですが…。」
「はい、そのように言われがちなのですが実際に入ってみると、頑張れた子、粘り強いお子さんが多い分、芯の強い傾向があるようなんです。おっとりしたタイプのお子さんが入られてすぐに辞めてしまったというお話をいくつか伺っています。」
みちかは言葉を失った。
おっとりしたタイプ、まさに、乃亜はそのようなタイプだ。
「とても良い学校なのですが、まだまだ志望校を絞ってしまうのは僕は勿体無い気がするんです。友利さん、併願校はお考えですか?」
みちかは首を横に振った。
一瞬だけ敬栄学園が頭をよぎる、けれど乃亜に向いているとは思えなかった。