navy blue〜お受験の恋〜
「まあ南ちゃんが自分で選んだ道とは言え…。もう少し人員は欲しいよね。」
夏子の言葉に可那は頷く。
mellow luxeは、アデールが100%出資する子会社だ。
8年前の立ち上げ当時、全国のアデール社員から50名を選抜し、そのプロジェクトをスタートさせた。
高機能高級化粧品が売りのアデールとは違い、お洒落に敏感な若者をターゲットにしたmellow luxe。
『メイクには旬がある、スキンケアにも旬がある』をコンセプトに誰もが旬を気軽に楽しめるメーキャップ&スキンケアブランドとして市場に出ると瞬く間に話題となった。
そんなメロウが5年前、美容職増員の為、社内公募施策を行い、当時入社6年目になる可那は自らの意志でメロウに出向したのだった。
「ほんとに深刻な人不足ですよ。来週なんて関西までヘルプに行ってくれって言われちゃったんですよ、関西の担任が辞めてメイクアドバイスサロンやれる子が誰一人居ないとか。」
「え、チャンスじゃない?それって池之内ユリカのポジションに近づいてるんじゃない?」
可那が言い終わるか言い終わらないかの所で興奮気味に涼が口を挟んだ。
大きな目をさらに大きく見開き、可那に熱い視線を送る。
「えっと…、うーん…、そうなのかなぁ。今後は他のエリアのサロン会にも積極的に私を行かせたいって友利さんには言われたんだよね。」
「ほら。」
涼の目がキラキラと輝いた。
池之内ユリカとは、メロウのディレクションを務める人物だ。
もとは可那達のように、アデールの美容部員だったらしいが、そのメーキャップのスキルの高さを買われ、本社へ引き抜かれた。
アデールの社内メーキャップアーティストとして数年間活躍したのち、メロウ立ち上げの際にブランドディレクターに就任した。
43歳とは思えない美肌とクールビューティーな顔立ちの彼女。
そのメイクセンスは『時代を先取りして池之内流の旬を生み出す』と美容ライターからも絶賛されている。
偶然にも同じヘアメイクの専門学校を卒業してアデールへ入社したその大先輩に、可那は長い事、憧れていた。
そしていつしか自分も彼女のように社内アーティストを経てブランドディレクターを目指したい、と思うようになったのだ。
そんな時にタイミングよくメロウの社内公募施策があり、飛びつくように応募したのだった。
夏子の言葉に可那は頷く。
mellow luxeは、アデールが100%出資する子会社だ。
8年前の立ち上げ当時、全国のアデール社員から50名を選抜し、そのプロジェクトをスタートさせた。
高機能高級化粧品が売りのアデールとは違い、お洒落に敏感な若者をターゲットにしたmellow luxe。
『メイクには旬がある、スキンケアにも旬がある』をコンセプトに誰もが旬を気軽に楽しめるメーキャップ&スキンケアブランドとして市場に出ると瞬く間に話題となった。
そんなメロウが5年前、美容職増員の為、社内公募施策を行い、当時入社6年目になる可那は自らの意志でメロウに出向したのだった。
「ほんとに深刻な人不足ですよ。来週なんて関西までヘルプに行ってくれって言われちゃったんですよ、関西の担任が辞めてメイクアドバイスサロンやれる子が誰一人居ないとか。」
「え、チャンスじゃない?それって池之内ユリカのポジションに近づいてるんじゃない?」
可那が言い終わるか言い終わらないかの所で興奮気味に涼が口を挟んだ。
大きな目をさらに大きく見開き、可那に熱い視線を送る。
「えっと…、うーん…、そうなのかなぁ。今後は他のエリアのサロン会にも積極的に私を行かせたいって友利さんには言われたんだよね。」
「ほら。」
涼の目がキラキラと輝いた。
池之内ユリカとは、メロウのディレクションを務める人物だ。
もとは可那達のように、アデールの美容部員だったらしいが、そのメーキャップのスキルの高さを買われ、本社へ引き抜かれた。
アデールの社内メーキャップアーティストとして数年間活躍したのち、メロウ立ち上げの際にブランドディレクターに就任した。
43歳とは思えない美肌とクールビューティーな顔立ちの彼女。
そのメイクセンスは『時代を先取りして池之内流の旬を生み出す』と美容ライターからも絶賛されている。
偶然にも同じヘアメイクの専門学校を卒業してアデールへ入社したその大先輩に、可那は長い事、憧れていた。
そしていつしか自分も彼女のように社内アーティストを経てブランドディレクターを目指したい、と思うようになったのだ。
そんな時にタイミングよくメロウの社内公募施策があり、飛びつくように応募したのだった。