恋は等しく
三人で大通りを横並びであるいた。ぼくの隣に馬場、馬場の隣に小早川と、いったぐあいに。

三人で並んで歩くには、狭い路地では、ぼくは気をきかせて二人の後ろを歩いた。かつて親友だったノブユキと同じようにぼくはしていた。

こうして三人で歩いていると、少し寂しくもあり、むなしいとさえ、思ってしまう。それに少し恥ずかしい気持ちにもなった。

ぼくにだけ、彼女がいないのかと周囲に思われている、そんな気がしてしまって、周囲の視線が少し気になってしまい、二人の会話にあまり、入ることができなかった。

ノブユキもこんな気持ちだったのだろうか?そうだとしたら少し悪いことをしていたのかもしれないとぼくはそう思った。

三人で一通り街をぶらついて、ファーストフード店に入った。馬場にデートプランが全くなくて、何をするべきか迷った挙げ句、駆け込んだ感じだった。

三人で他愛もない会話を少しした。勉強の話し、仲のいいクラスメートの話しなど、それから小早川がおもむろにぼくにいった。

「真田君のこと、少し誤解していたよ」

「誤解?」ぼくは聞き返した。

「うん、真田君って、女子とは、口きかないのかと思ってた」

「何で?そんなことはないつもりだけど」

「真田君が女子としゃべっているところ、一度もみたことなかったし、クラスの女子の間では、真田君は女子とは話しをしない人だって、話してたんだよ」

「なんだよ、それ、まるでぼくが男色みたいないわれようだね」と、ぼくは、わらいながら小早川に言った。

「そんなことは思ってないよ。クールって言うか、チャラチャラしてないって、意味のほうかな」と、小早川が言った。

ぼくが冗談で言った男色に小早川は少し過敏に反応したようだった。それから小早川は、だったらさ、といい、「女の子、紹介するね」と言った。
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