恋は等しく
3
六月のはじめに、ぼくは、彼女と出会った。小早川が前に言っていた、紹介の彼女だった。
彼女は小早川アキの新しい友達で、全くもって予想外の女の子だった。クラスも違い、部活に入っていない小早川がどうして、彼女と、知り合ったのかも想像がつかなかった。
放課後、小早川がぼくの席の前にたち、「真田君ちょっとだけ、時間とれる?」小声で訊いてきた。
「なに?」とぼくはたずねかえした。紹介の話しなど、すっかり忘れていたし、たいして気にとめていなかったし、正直に言うと、あの場ののりから出た言葉だと思っていた。ぼくは小早川のことを信じていなかった。
けれども小早川は、融通のきかない、真面目な人間だった。一度、約束したことは、覚えている。そんな女の子だ。
「前に言った女の子」
「女の子?」
「うん。前に言った紹介の子」と、いい、小早川はぼくの腕を引っ張るように彼女の元にいざなった。
彼女は小早川アキの新しい友達で、全くもって予想外の女の子だった。クラスも違い、部活に入っていない小早川がどうして、彼女と、知り合ったのかも想像がつかなかった。
放課後、小早川がぼくの席の前にたち、「真田君ちょっとだけ、時間とれる?」小声で訊いてきた。
「なに?」とぼくはたずねかえした。紹介の話しなど、すっかり忘れていたし、たいして気にとめていなかったし、正直に言うと、あの場ののりから出た言葉だと思っていた。ぼくは小早川のことを信じていなかった。
けれども小早川は、融通のきかない、真面目な人間だった。一度、約束したことは、覚えている。そんな女の子だ。
「前に言った女の子」
「女の子?」
「うん。前に言った紹介の子」と、いい、小早川はぼくの腕を引っ張るように彼女の元にいざなった。