恋は等しく
失恋を忘れるには、時間が解決してくれる。それは、よくきくフレーズだ。けれども毎日毎日に顔を合わせていては忘れる事なんて、できるはずもない。

クラスが同じで、家も隣、そう大きくもないマンションの隣。エレベーターだって一つしかない。どれだけお互いが気をつけていたとしても、どうしたって、ばったり、偶然に会ってしまうのだから、そう簡単にいかないのだとあきらめている。

付き合いはじめの頃は、幼なじみだったミズキと恋人関係になれたことが嬉しかった。毎日会えるのだから、でも、今は全くもって逆の思いだ。

こうして二人でエレベーターの中でお互いが、無言でいたたまれない雰囲気を味わうのは、お互いにとって罰ゲームでしかない。

それでもぼくは、彼女を見てしまう。気づかれないように、そうしてぼくは、少し大人びた彼女を見て思ってしまう。可愛くなったな、と。
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