恋は等しく
ゴールデンウィークが間近にせまったためなのか、クラスで一組のカップルができた。あまり仲のいい、二人ではなかったが、馬場は、少し焦りを感じているようだった。

「あいつらイチャイチャしやがって」

「別にイチャイチャしても、関係ないんじゃないか?」

「関係あるよ、あいつらみて、他のやつらも恋人作ろうって思うじゃないか」

一理あると思ったけれど、ぼくは、さらに知らないかれらを擁護する。

「そんなことで、触発されたって、長続きしないし、そうそう両思いになるものではないだろう」

「それはそうかもな」馬場は少しも納得していないような顔で言った。

「だったらさ、馬場も告白したらいい」と、ぼくは、言った。小早川の方をむいて。

馬場は少しうなだれていた。

馬場に告白したらいいと、言ったのは、少し冗談まじりではあったけれど、二人の仲を見ていたら、上手くいくんじゃないかと、ぼくは思っている。

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