紫陽花とネバーランド
「おはよう、ウェンディ早起きだね。まだ寝てるかと思った」

なるほど、それで動作が控えめだったのか。

「うん、なんか目が覚めちゃって、どうぞ好きなところに座って?」

あ、ドアと部屋との区切りがないんだった。洋風な作り。つまり、土足。

あたしは飛び降りた時のローファーのままだし、そもそもここから出たことなかったから、大きな違和感はなかった。

そしてこの部屋にはベッドと勉強机のイスしか座る場所がない。

ちなみに今あたしはイスに座っている。

「ごめん、座る場所なかったね」

ピムもさすがにベッドに座るわけにはいかないと思ったのか苦笑い。

「いいよ、すぐ済む」
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