紫陽花とネバーランド

人魚が湖の真ん中の方に声をかけたと思ったら、水面がキラキラしはじめた。

よく見ると鱗が反射して光っているみたい。

あのキラキラ全部、人魚ってことかな。
いったい何人いるんだろう。

「はじめまして！」「綺麗な黒髪ね！」
「みんなよりずいぶん大きいのね」
「これからよろしく」

綺麗な人魚が５人ばかり出てきたと思ったら一斉に話し始めた。
ずいぶん大きいってやっぱりあたしが最年長なのね。

みんな金髪だったり色素が薄いから黒髪が珍しいらしい。

日本人にとっては当たり前でむしろ染める人が多いぐらいなのにすごく褒めてくれる。

皆さん美形すぎて緊張するけど、褒めてくれたし、優しそうだし、あたしもちゃんとしないと、！

すうっと息を吸い込んだ。

「初めまして、私のことはウェンディと呼んでください。これからよろしくお願いします」