紫陽花とネバーランド
頑張って探してもなかなか見つけられない。ほんっとに広いな。

「おーい、メグー、ジャムー」

名前を呼びつつ草をかき分ける。

「ウェンディ、あっち」

小さな声が降ってきて見上げると男の子(名前まだ覚えてない、ごめんね)がツリーハウスの窓から身を乗り出して、

あたしが探していたところと正反対の方向を指さしていた。

あそこにいるってことかな?

声を出すわけにもいかないから男の子のほうを見て口パクで「ありがとう」

笑顔で親指を立ててくれたから伝わったらしい。よかった。

抜き足差し足で気分は忍者。足音を最大限に消して歩く。

指をさしていたのはこの辺だったはず。
隠れられそうなはこの木ぐらいしかない。

< 47 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop