紫陽花とネバーランド
「すごいな、」

思わずつぶやいてしまう。望遠鏡がなくてもこんなに星は光って見えるんだ。

あたしが今まで星は目を凝らさなければ見えない、見ようとしなければ気づかないくらい、か弱いものだった。

昨日見た夜空とは大違いだ。
もっとも、世界も状況も違うけど。

「写真撮りたかったー」

なんでスマホを持って飛び降りなかったんだろう。飛び降りたことに対しては後悔してないけど手ぶらだったことに無念が残る。

「あーあ、もったいな」


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