紫陽花とネバーランド
それからピムは、妖精は存在を否定されると死んでしまうと教えてくれた。

「大丈夫。私、ティンクと仲良くなりたいもん。絶対に疑ったり、否定いしたりしないよ」

声に出さなくても何を言いたいかわかるぐらいに仲良くなりたい。

その思いを込めてピムの目を見て、それからティンクの目を見て深くうなずいた。

「じゃあ、ティンク。やってあげて」

ふたりは顔を見合わせてにっこりした。
あたしにはわからないけど、何か話してるんだろうな。

それからティンクはふわりと飛んできて、あたしの周りをくるくると飛び回り始めた。

金色のシャワーがあたしに降り注いだ。
途端に体が軽くなる。

今すごく飛びたい!
フワッと足が地面から離れたような気がした。
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