溺れて。
そのまさかが現実になったのは夜が明けてからのことだった。
手紙を読んだあと、お母さんは私の体調を気遣ってくれて私を部屋に返した。
私は寝たか寝ていないかすらも分からないまま夜を明かした。
「はい、はい..」
気がついたらお母さんが一階で誰かと話す声が聞こえた。
私は部屋を出て一階へ向かった。
「おはよう、お母さ・・・」
その瞬間、すべてを悟った。
私の方を振り向いた時の顔に、生気を感じられなかった。
目に光が入っておらず、ぞっとした。
「お母さん、誰と電話していたの?」
どのくらいの沈黙があっただろうか。
我を忘れた頃にお母さんは口を開いた。
「恋愛海岸の管理人からよ」