7人目のバンドマン
一通り準備が終わったのか、
敬介さんはキーボードの音を出し始めた。
「和也くんってぶっちゃけキーボードの事どう思ってる?」
「え・・・・。」
“どう”って聞かれても・・・。
「音楽の事全然分からないけど・・・
ビアノの音は好きですよ。
それに立花さんのアカペラから始まる“花櫚”は特にキーボードの音が印象的で・・。」
「嬉しいねぇ。
そこまでしっかり聴いてくれてるんだ。
あの曲は俺が加入してから最初に本郷くんが書いてくれた曲なんだ。」
敬介さんは実際に僕が今話題にあげた曲を弾いてくれた。
「バンドの中でキーボードってあんまり目立たないんだよ。
だから俺が思うに、
キーボードが一番モテない。」
「へぇ~。
そうなんですか。」