7人目のバンドマン
敬介さんは、音楽の授業で一度は聴いたことのある超有名な曲を弾き始める。
・・名前は忘れたけど。
「中学の時、嫌気が差したんだ。
ピアノってすごく繊細な楽器で、
毎日触らないと感覚が狂うんだ。
俺の場合、1日サボったら取り戻すのに3日かかってた。」
・・・勿論僕は弾いたこと無いから意味が良く分からないけど、
多分敬介さんはもの凄く高いレベルのお話をしている気がする。
「父も、自分がピアニストだからってかなり厳しくてね。
反抗期もあったかもしれないけど、段々ピアノが嫌いになっていって、
中学生だったある日、
些細な事から父と喧嘩になって、
勢いでピアノを・・・小さい頃からずっと弾いてた大切なピアノを思いっきり殴っちゃったんだ。
それで・・・右手骨折した。」
「壮絶な話ですね・・・。」
「そこから始まった俺のモテ期!」
えぇ~!?
真面目な話かと思ったら、
そこからはいかに敬介さんが女性にモテたかという武勇伝というか自慢話が続く。