7人目のバンドマン
敬介さんは再びCycloneの皆さんの楽曲を弾き始める。
「それでライブが終わった後、
一緒に来てた4股目の女を放置して、俺はすぐメンバーのみんなの所に話し掛けにいったよ。
それが俺がキーボードとして加入する最初のキッカケ。
でもあの時点で、
ボーカル,ギター,ベース,ドラムがいて、
バンドとして十分成立してるから入れて貰えるとは正直思ってなかった。」
「どうやってメンバーに入れてもらったんですか?」
「そのライブ以降、
メンバーのみんなと一緒に遊ぶようになったり、曲作りにお邪魔させてもらうようになったんだ。
“楽器なんてもう絶対弾かない”
って思ってたのに、
気付いたらキーボード弾いてみんなとセッションしてた。
そしたらある時、
本郷くんがみんなの前で言ってくれたんだ。
“カスミの歌を生かすには、
お前のコーラスが必要で、
Cycloneの曲には、
お前の感性と音が必要だ“って。
ピアノを辞めたあの日以来の大号泣だったよ。」