7人目のバンドマン
「葬儀が終わった後、
志郎が本郷と俺の所に来て、
血の涙を流しながら頼んできた。
楽器なんて触ったこともないような奴が、
俺達の目を見て・・・。」
「・・・・志郎さんは・・
キョウコさんの為に・・・。」
「大学を中退して、
あいつはCycloneに加入した。
そっからは死に物狂いで努力して、
今では他のバンド連中にも負けないドラマーになった。
だけどあいつがいつも鬼気迫る雰囲気出してるのは、
今でも、
“俺はまだ半人前のドラマーだ”
って思ってるからだと思う。」
「・・・・・・。」
「志郎のことを“怖い”って言う奴がたくさんいるけど、
あいつ程心ん中に“愛”を持ってる優しい男はいないよ。」