7人目のバンドマン
――――――――
救急隊員の人達が呼びかける頃には、
遠藤先生は微かにこちらの呼びかけに反応できるようになった。
ストレッチャーで運び出される直前、先生に近づくと、
僕を認識して目で合図してくれた。
「・・・仁村です。」
先生は何も言葉を発さなかったけど、
僕は腕で目を拭いながら返した。
窓からは僕達を目がけて、
真っ赤な夕陽が差し込む。
“遠藤先生、夕陽に死す”
なんてあり得ない・・・。
意識が戻って本当に良かった・・・。