7人目のバンドマン
「そう言ってくれて救われるよ。でも・・もういい加減脱け出さないとね・・。」
「あの・・・。」
「うん?」
「“スランプ”って・・・ぐ、具体的に言うと・・どんな感じなんですか?」
「・・・・・・・。」
「・・・・あ!ごごごめんなさい。
経験したこと無いのでつい・・。」
「・・“書こう”と思ってペンを持つんだけど、その瞬間頭が真っ白になるの。
一旦ペンを置いて、もう一度考え直してまたペンを持つんだけど、少し書いたらまた止まる。
無理矢理ペンを走らせると、
日本語じゃないような日本語がそこに書かれていて、慌てて紙をクシャクシャにする・・・・っていう感じかな。私の場合。」
「・・・・なるほど・・。」
「“杏子”の詞を書いたあとぐらいからかな・・・こうなっちゃったのは・・。」
・・・!?
「隼人から聞いてるんだっけ?」
「は、はい。
キョウコさんの事は知ってます。」