7人目のバンドマン
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メインのステーキはお互い食べ終わり、
コップに注がれたウーロン茶を立花さんは見つめていた。
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「・・・・でもね・・・。」
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「キョウコがあんなことになって・・・・。
気持ちの整理がつかないまま自分を誤魔化して、それでも前を向いて・・・。
志郎もあれだけ努力してくれたのに・・・
敬介も新しい風になってくれたのに・・・
・・・・“杏子”を書き終わって・・・・もうペンを持つ右手は誤魔化しきれなくなっちゃった・・・。」
次第に目に涙を浮かべながら、
立花さんは絞り出すように
気持ちを吐露してくれた。
いつも見ていた力強くてカッコ良い立花さんはそこにはいなくて、
嗚咽だけが部屋に響いた。
第10話 完