7人目のバンドマン
「・・・ごごごめんなさい!
また余計なこ・・。」
・・・!?
立花さんの方に体の向きを変えた瞬間、
ずっと真横で黙って僕の話を聞いてくれていた立花さんも、
同じ様に僕の方へ体の向きを変えて、
その両腕が・・僕の背中に回された。
「た・たたたたち・・。」
「・・・・だったら・・・
和也も私達の家族だよ・・・。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「・・・・アリガトウゴザイマス・・・。」
今回だけは、顔が紅潮することも、
心臓がバクバクすることも無かった。
保育園の頃・・ひょっとしたら夢の中の出来事だったかもしれないけど、
母の日に下手くそな絵を描いて渡した時、
かけっこで1番にゴールテープを切った時、
母さんと父さんに抱きしめて貰った時のようなあの温かさが立花さんから伝わり、
僕も目を閉じて自分の両腕をその背中に回した。