7人目のバンドマン
「東京に行くことになった。」
「と、東京・・・?」
もう1つのパイプ椅子に腰掛けた敬介さんは、
いつものチャラチャラしたノリを消して、真っ直ぐ僕を見る。
「・・メジャーデビューが決まった!!!」
「えーーーーー!!!?!?!?」
思わず椅子から立ち上がり、手を差し伸べてくれた敬介さんとハイタッチを交わす。
「おめでとうございます!
お・・おめでとうございます!」
「ありがとう!
早く君にも報告したかったんだけど、
ちょっとホントにバタバタ過ぎるバタバタだったからね。」
「いつですか!?」
「あ、ごめん。まだCDのリリース日までは決まってなくて、
レーベルと契約したって所まで!
だから活動拠点を東京に移して、
まずはデビュー曲作りだね!」
「凄い・・・。
皆さんの夢が叶うんですね!」
「それが聞いてよ!
うちのリーダーったら・・・。」