7人目のバンドマン
「ライブ後、先方から、
“契約したい”と本郷先輩に話があったが、
あの人は一旦保留にしたらしい。
建前は、“メンバーにちゃんと話をするから待ってください”だそうだが、
“カスミ先輩の復活”がメジャー契約するうえで何より不可欠な事だったからだと思う。」
志郎さんは僕の目を見て、
笑顔を見せてくれた。
「何があったのか知らないが、
“和也と温泉に来てる”って言いながら夜中に電話で起こされたあの日以来、
カスミ先輩はまた詞を書けるようになった。
契約締結できたのはお前のおかげだ。」
「・・・僕は何もしてません・・。
立花さんは自力で・・・
そして皆さんの存在があったから、
スランプ脱出したんだと思います。」