7人目のバンドマン
「和也!!」
!?
「お~お~お~。」
「・・・まさか・・ホントなのか?」
この状況でまた男性陣お二人から疑惑の眼差しを向けられてしまったけど、
僕を抱きしめてくれた立花さんからも、
メジャーデビューの喜びが全身で伝わった。
「立花さん・・おめでとうございます。」
「あの時、君と出会えて良かった・・。
あの時、消しゴムを借りて良かった・・。」
腕をほどいた立花さんは、
持っていた鞄からCDを取りだした。
「和也が書いてくれた“Retry”と“霧”。
それからあの夜に出来た“ありがとう”の3曲。
レコーディングしたから受け取って。」
「あ、ありがとうございます!」
「和也、お前の為に作った1枚きりのCDだから大事にしろ。」
「オークションに出しちゃダメだよ。」
僕が手にしたCDに志郎さんと敬介さんが補足を付け加えてくれた。
「ありがとうございます。
大事にします。一生の宝物です!」