7人目のバンドマン
僕の隣に座ってきたのは中学の同級生、市川君だった。
特別仲が良かったわけではないけど、
仲が悪かったというわけでもない。
会えば普通に挨拶するし、
話し掛けられれば普通に話すような関係。
市川君は僕と同じ路線の高校に通っているようだ。
制服を見れば、どこの学校か見当がつく。
「この時間に電車に乗ってるってことはお前部活やってないの?」
「うん。
市川君はバスケ部入らなかったの?」
「今日はサボった。」
市川君はスマホを取り出す。
「あのレベルだったらすぐレギュラー取れそうだからな・・・・もしもし?」
「ちょ、ちょっと電車だよ。」
市川君は誰かと電話をし出した。
なんて非常識な人なんだ・・・。
確かに中学の時からよく先生に叱られていた不真面目イメージがあるけど・・。
あまり周囲に人はいなかったとはいえ、
隣に座る僕もなんだか周りに対して気を遣ってしまう。