誰よりも君を想う
「なにしてんのって言ってんだよ‼」



聞いたことのない、低い冷たい声。



夕ーーーー?



私の知らない夕が、そこにいた。




「なんでもねーよ‼」



不良は、一目散に逃げていく。


すれ違いに、光が来たのを見た。



「悪い、遅れた。どうした?


愛菜…………泣いてるの?」



ハッ、として気づく。



光が、見てる。


大好きな光が見てる。


キュッ、と胸が苦しくなって光の胸に顔を埋めた。



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