誰よりも君を想う
お腹の中からずっと一緒にいた。



生まれてから16年、ずっと一緒にいた。



ケンカもしたけど、それなりに楽しかった。



俺は手のひらを見つめた。



強く振り払われた手が微かに震えた。



その手を優しく包む、小さな手。


「愛菜…………。



俺ーーーー」



言葉にならない言葉を並べた。



「"大丈夫だよ、大丈夫"」



愛菜の言葉が心に響いて、胸が暖かくなった。



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