the Lie.
蜘蛛の糸がスルスル伸びて
僕の胸に
肩へ
腕を
絡まって
すり抜ける。

どうやら烏の羽根は
保温性に優れているらしい。

温かくて小さなイキモノが
ゆっくり動いて
蜘蛛の糸は契れていった。

僕は離れようとする兎の手首を掴む。

手の平に違和感を感じる。





「兎………」





ココにもあんのか





「……………死ぬの??」





赤い花。


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