the Lie.
第三章
「兎」

薄紫の夜
僕は兎の穴をこじ開けた。

「ヤツらが動き出した…」



兎は鏡台の前に座っている。



「逃げるか??」



『……………どこに??』



「…どこでもいいよ」

「兎がいれば」





『…あなたは………』

『おかしなコトを言う人ね』



今度は兎の手が僕の頬に触れる。

触れた手は

真っ赤に染まっていた。


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