the Lie.
兎は僕の上にまたがり
蜘蛛の糸が巣を広げる。

頭が割れる。

頭が割れる。

耳を通って脳みそに根を張り
僕の細胞は兎に乗っ取られていった。



温かい手が頬から首へ伝い
僕の首を静かに締める。

あの日
僕が兎の首を締めたように

ゆっくりと

ゆっくりと





意識が遠退く。



ああ そうだ

この感覚。





こんな時でも
兎はやけに綺麗に見える。

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