the Lie.
彼女は硝子で僕を見る。

僕は兎を捕まえようと踏み出した。



綺麗だな こいつ。

この雪 触ったら溶けるのかな。


僕は彼女にたずねてみる。

「兎って呼んでいい??」



『……………いーよ』



兎の口から出てきた音は水だった。



そうか…
雪が溶けて水になってんだ。



赤い花びらから滴る水。

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