the Lie.
雪を溶かそうと頬に触れて
水が滴る花びらのよぅな唇を指でなぞる。

硝子の目は虚ろなままだった。



なんだ こいつ

こんなに綺麗なくせに…。



僕は不意に苛立った。

指を首へと滑らせて
力を入れる。



捕まえたら

僕のモンだろ??



兎は僕から目を離さない。

僕の何かを見透かして

すでに僕など見ていないのかもしれない。



どーでもいーけど

その目くり抜いてやってもいいんだぞ。

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