笑顔だけが可愛い。

「あっ！」
「なに？」
「連絡先もらってんじゃん！ずるいよ瑞希！」
「そんなこといっても…」



　チラッと瑞希さんが笑顔を固めて困ったように目配せしてくる。あきれるようななんというか。お友達は少々子供っぽいらしい。



「ええと、連絡先交換しますか？」
「ほんと？そこの少年もほら、ケータイ持ってるでしょ？」
「は、はい」



　千晴とも半ば強引に連絡先交換の約束を取り付けると、みんなの視線が一人に集まった。
　その人は。



「あれ？もしかして、私もやらなきゃだめ、な流れ？」
「吹雪、ここはもう観念するんだ」
「はぁ…強制？」
「こうなった玲はとめられないから、ね？」
「僕はもうなんでもいい気がしてきた…」



　てなわけで。なぜか全員と交換する羽目に。
　サッと操作し終わると、とりあえず全員で自己紹介をする流れに。