笑顔だけが可愛い。
「だって分かんねぇもん」
「何が?」
にこにこ、といつもの邪気のない笑顔で言う。
でも親友だからこそ分かる微妙な変化。千晴は悪戯な顔をしている。
やっぱり楽しそうだった。
「…キラキラしてんの。あのコ」
「どの娘?」
「こんな髪型してて」
折角の美少女な容姿だからと少しのばしてあった髪を上半分掴んで見せる。
「あぁ、確かに可愛いかもね」
「初めて思ったんだ。…ひとめぼれした、かも」
「…ボクは幻聴を聞いてイルノデショウか…」
「だから俺、ちょっと行ってくるわ」
「えぇ?」
千晴と会話してたら、吹っ切れた気がする。調子を崩した千晴を見て、こっちは正気を取り戻した。
とりあえず、つながりを持たなきゃ始まらない。
慌てる千晴をよそに、少女たちに話しかけに行った。