笑顔だけが可愛い。

「どこ行きたいの?」



 例のハーフアップの少女が聞いてくる。もちろん愛想笑いだとは思うけど、俺だけに向いている微笑みはやっぱり輝いていて。距離の近さから世話好きな性格みたいだった。



「ねえ?」
「…あ、えと、学校に行きたいの」



 しまった。つい本音が。これだとつじつまが合わなくなってしまう。
 必死に考える。頭をフル回転させる。


「?…この近くなの?なのに迷った?」



 隣にいた物静かそうなツインの少女がツッコむ。
 む。何気に鋭いぞ、この人。

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