笑顔だけが可愛い。


「さっきから気になってたけど何で学ラ」
「咲良、何をしてるの?」
「千晴!」



 千晴が来てくれて助かった。別に隠しているわけではないが、男だとバレるとこのあとの予定が狂ってしまう恐れがある。千晴は自分の調子を取り戻し、俺の暴走を止めるべくやって来たようだった。
 だが、そうはさせない。

 俺と千晴の間、一瞬で交わされる目線での会話。



『俺と話を合わせてくれ』
『やだ。今の咲良の言うことを聞いたら、悪くなる予感しかしない』
『失敬な!…前に行きたがってたおやつ屋さん、一緒に行ってあげるから』
『うっ。。。でも足りない』
『わかったおごるから!』
『交渉成立』


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