Dark Light
大丈夫?
何も、面白いこといってないんだけど。




もしかして『冠城さん』は、危ない人かもしれない。





私の中でそんな疑惑が浮かんだ。


そして思い立ったら、即行動。



いまだに笑っている『冠城さん』に



「じゃ、じゃあ。」



とその場を離れようとしたが、



フワッ



「えっ?」



宙に浮いた身体。



お腹の周りの暖かい圧迫感。



気づいたら、『冠城さん』に抱えられていた。




「わぁ、君軽いね。ちゃんと食べてる?

てかまだ、早いでしょ。帰るのは。

助けたんだから、お礼ぐらい返してもらわないと。


それに俺のことは知らなくても『走り』を見にきたのに変わり無いだろ?」




『冠城さん』は、私を抱えて歩いてく。


最後の内容の時『冠城さん』の声はどこか拒絶の様な色があった。




「違います。ここにいたのは、たまたまです。」




だから、もう帰ります。と言う私の必死の言い分も聞いてもらえず、






「まぁ、どっち道君はご指名がかかったんで、連れてかなきゃいけないんだけどね。」






と困った様に笑った。





ご指名?

何の?






< 35 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop