Dark Light
「お客様、3572円になります。」







営業スマイルを浮かべて、もう一度言う。







冠城さんはハッとした様にお財布から一万円札を取り出した。








千円札は無いんですか?




と思いながら、差し出されたそれを受けとると






「ねぇ、こんな時間にこんな所で、何やってるのかな?」







紙幣から手を離さずに私に微笑み問いかける。







私はピッとお札を抜き取ってレジに通す。







「一万円のお預かりですので、6428円のお返しですね。」








冠城さんの質問を無視して、黙々と仕事を続ける。







「君は明らかに18歳以下だよね?」







「お客様、ポイントカードはよろしいですか?」







「大丈夫です。天使ちゃん、聞いてる?」







「お先に6000円とお後、428円のお返しになります。
レシートはご利用なさいますか?」







「大丈夫です。天使ちゃん、家はどこなのかな?」







「ご利用、ありがとうございました。」









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